同検討会の概要を説明した坂本氏は、今後の医師と看護師の関係性について、「あくまで特定看護師は、看護の上に成り立ったところ(業務)の拡大ということを押さえておくべきだ」とし、「(看護師の)アイデンティティーをどのように考えるかが大きな課題だが、時代の流れも把握しなければならない」と述べた。
■NPで声明出さずは「戦略」―日看協
質疑応答で小池智子氏(慶大看護医療学部准教授)は、「これから看護界に出て行く学生たちにとって、新しいキャリアアップにつながるため、(特定看護師の新設は)大変歓迎されている」と紹介。その一方で、看護師らのチームが麻酔管理を行っているなどの実例を挙げ、「(法律上の「グレーゾーン」が)明確になることで、活動しやすくなる部分もあると思うが、(現行の)保助看法(保健師助産師看護師法)での自由な活動が阻害されないことの保証も重要だ」と指摘した。
一方、日本看護協会(日看協)常任理事の斉藤訓子氏は、医師の指示なしで医行為を行う「ナースプラクティショナー(NP)」に関する日看協の見解について、昨年夏の同検討会設置後、団体として検討を重ねてきたと説明。2月18日に「日本版NP」の創設・法制化を求める意見書を同検討会に提出したことに関しては、日本医師会との対立や診療報酬改定の議論の妨げになる点を考慮し、「(それ以前は)戦略として、あえて大きな声明は出してこなかった」ことを明らかにした。
■看護師の研修制度、成果を集めて「次の行動を」
このほか、「新人看護職員研修に関する検討会」で座長を務める石垣靖子氏(北海道医療大看護福祉学部教授)は、4月から努力義務となる新人看護職員研修について、「(厚労省の)ガイドラインにのっとった企画を立てることで予算が付くので、ぜひそれを推し進めていただきたい」と要望。また、医師臨床研修制度が努力義務から制度化までに30年以上かかったことから、「これからの医療の在り方を考えると、看護師の教育は非常に重要なので、各施設でこのガイドラインに関して成果を集め、次の行動に移さなければならない」と訴えた。
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